テーマ:栄養管理とこれからの理学療法 
~You are what you eat.

 

学術大会長  佐竹 將宏

 “あなたは食べるものでできている” このことわざにもあるように、人は食べたもので作られ、同時にエネルギーを得ています。

 人は食べたものを消化、吸収、代謝し、エネルギーを産生することで生命を維持しています。食べたものの中には栄養素があります。この栄養素を吸収できるように分解する過程が消化であり、口はその入口です。口から食べて、食べ物のにおいや味を味わいながら、生涯、食事を楽しみたいものです。

 吸収された栄養素から、化学反応によりエネルギーを産み出します。これをエネルギー代謝といいます。最低限必要なエネルギーが基礎代謝量であり、基礎代謝量は一日に必要とする総エネルギーの60%にもなるといわれています。またエネルギーを得るための化学反応には酸素も必要です。酸素不足はエネルギー不足にもつながります。十分な栄養素と酸素の摂取は、生きていくうえで、活動していくうえで欠かせないものです。

 摂取するエネルギー量と消費するエネルギー量のバランスも重要です。摂取エネルギー量が消費エネルギー量よりも少なければ、低栄養状態となり、痩せたり、筋肉量が低下したりします。多くの理学療法はエネルギーを消費します。病気や傷害により、摂取エネルギーが減少したり、消費するエネルギーが増加したりする中での理学療法には、注意が必要です。エネルギーが枯渇した状態での理学療法は十分な効果が得られないばかりか、害を及ぼす可能性もあります。効果的な理学療法を実施するためにも摂取しているエネルギー量の確認は大切です。

 平成30年に改正された養成校指定規則では栄養を学ぶことが必須となりました。令和3年度の介護報酬改定では口腔衛生の管理や栄養ケア・マネジメントの強化が明記されました。今日、栄養管理は医療や介護において重要なテーマとなってきています。

 あなたは食べるものでできています。広義に捉えれば、見聞きしたことでも人は作られると言えます。本学会で学んでいただくことで、明日からの理学療法に少しでも役立てていただければ幸いです。

 秋田県理学療法士会会員一同、皆様のご参加を心よりお待ちしております。