テーマ:理学療法の連続性 
~ ひとと人生に寄り添う理学療法 ~

 

大会長 中田 隆文

 理学療法士はひとや社会のニーズに応えて行くことが求められますが、私たちが関わるひとや社会は常に時の流れの中で変貌し続けています。現代社会において、地域包括ケアシステムは「最期まで住み慣れた地域で生活すること」を目的としており、2021年に制定された医療的ケア児等とその家族に対する支援に関する法律では、児の人生への関わりが求められています。これらのことは全ての国民において「出生から看取りまで連続した医療やケアが必要であること」を示しています。理学療法は障がいや障がい者を対象とした時代から発展を続け、近年では介護予防、スポーツ、新生児や小児医療、終末期医療、教育、女性の就労など、ひとの人生の全てに関わる様になっています。近年ではケアサイクル論やアドバンスケアプランニング(ACP)の重要性、ナラティブアプローチなどの概念や技術が浸透しつつあり、私たち理学療法士も対象となるひとの生活や人生を理解し、より対象者を主体とした、連続性のある関わりが求められています。
 理学療法は専門化・学際化が図られ、その結果、基礎から応用までの研究、臨床、教育、その他の社会活動の多くの領域において、かつて無い程に、急速に発展しています。一方で高度に専門化した理学療法は対象(者)を断片的に捉えやすい可能性も考えられます。理学療法士には、この世に生まれ生命維持装置を必要としながら成長する子どもたちの幸せを祈り、保護者と共に成人して社会人となって行く姿に寄り添い、急性期では集中治療室を退室し社会復帰した後の人生に寄り添い、回復期リハビリテーション病棟で担当させていただいた対象者では背景因子を大切に、できる・している・する活動(生活)を計画・構築した先に待っている退院後の人生に寄り添い、人生の終末期では対象者の生き方(ACP)に寄り添うことが必要と考えます。さらに私たち理学療法士の人生への配慮も重要であり、学生教育から卒後教育の連続性、ワークライフバランス、就労のスタイルなどの多様性に寄り添うことも大切です。
 本学会では    
 ・現代社会のニーズに対する理学療法を整理すること。
 ・ひとと人生への理学療法士の寄り添い方を考えること。
 ・理学療法の連続性を理解すること。
を目的とさせていただきます。
会員の皆さまが一堂に会し、実りある研究発表、討論さらには親睦ができる学術大会を目指します。多くの皆さまのご参加を、心よりお待ちしております。